包接体のコエンザイムQ10とは？酸化型や還元型と何が違うの？
包接体のコエンザイムQ10は、コエンザイムQ10を特殊な糖で包むことにより、体内への吸収率を高めたものです。
包接体のコエンザイムQ10は体内に吸収されやすく、効率的に効果を発揮します。また、還元型や活性型を配合した製品に比べて価格が安いのも魅力です。
包接体は糖で酸化型コエンザイムQ10を包んだもの
市販されているコエンザイムQ10には、酸化型・還元型・活性型・包接体の4つのタイプがあります。
包接体は、酸化型のコエンザイムQ10を「γ(ガンマ)-シクロデキストリン」と呼ばれる糖で包んだものです。
γ-シクロデキストリンは環状の構造をしたオリゴ糖の一種で、大きさは1ナノメートル(1メートルの10億分の1)程度と極めて小さい物質です。
なお、酸化型・還元型・活性型については別の記事で解説しています。それらのタイプについて詳しく知りたい場合は、以下のリンクから記事を参照してください。
関連記事：コエンザイムQ10の酸化型と還元型の違いは何？
関連記事：活性型コエンザイムQ10とは？ほかのタイプと何が違う？
包接体コエンザイムQ10のメリット
酸化型のコエンザイムQ10を糖で包んだ包接体には、さまざまなメリットあります。
吸収率が高い
包接体のコエンザイムQ10は、酸化型に比べて吸収率が高いのが特長です。
・酸化型は吸収率が低い
市販されているサプリの多くには、酸化型のコエンザイムQ10が配合されています。
コエンザイムQ10には油に溶けやすい性質があり、水にほとんど溶けません。そのため、体内に吸収されにくいのが難点です。
特に酸化型のコエンザイムQ10は吸収率が低く、約10%程度ともいわれています。
・包接体は体内に速やかに吸収される
包接体を構成するγ-シクロデキストリンは環状の構造をしており、内側は油になじみやすい性質がある一方で、外側は水になじみやすいという特徴があります。
内側が油になじむため、γ-シクロデキストリンはコエンザイムQ10をしっかりと取り込みます。また、外側が水になじむため、内側にコエンザイムQ10を保持しつつ体内に速やかに吸収されます。
包接体のコエンザイムQ10は体内への吸収率が高く、より効率的に効果を発揮します。
飲むタイミングを選ばない
包接体を配合したサプリメントは、いつ飲んでも吸収率が高く、飲むタイミングを選びません。
酸化型のコエンザイムQ10には油に溶けやすい性質があり、食事で油を摂取したあとにサプリを飲むと体内への吸収率が高まります。そのため、食事後の摂取が推奨されています。
包接体のコエンザイムQ10は水によくなじむため、油と一緒に摂取する必要がありません。
包接体配合のサプリはいつ飲んでも吸収率が高く、いつでも気軽に飲めるというメリットがあります。
コエンザイムQ10は長く続けることで高い効果を発揮するため、気軽に飲めて摂取を続けやすいのは大きなポイントです。
熱や光に強い
γ-シクロデキストリンは、非常に安定した物質です。アルカリや酸のほか熱に対しても強く、200℃程度まで加熱しても安定しています。
コエンザイムQ10には熱や光などに対して不安定な性質がありますが、包接体はそれらに対して強く、成分の劣化が起こりにくいのが特長です。
製品価格が安め
包接体を配合したサプリは、還元型や活性型を配合した製品よりも価格が安めです。
還元型や活性型は、酸素に触れると酸化型に変換されてしまいます。そのため、還元型や活性型のサプリを製造する際には特別な技術が必要です。
還元型や活性型は製造や管理にコストがかかり、サプリの価格も高めです。
包接体は成分の劣化が起こりにくく、製造コストや管理コストを抑えることができます。そのため、包接体を配合したサプリは還元型や活性型に比べて価格が安めです。
包接体のデメリット
多くのメリットがある一方で、包接体にはデメリットもあります。
包接体は酸化型のコエンザイムQ10を糖で包んだものであり、酸化型は体内で還元型に変換されることではじめて効果を発揮します。体内で酸化型を還元型に変換するにはエネルギーが必要で、その力は加齢や病気によって衰えます。
そのため、特に中高年や病気の人の場合、包接体は還元型よりも体内での利用効率が劣ります。
包接体配合のサプリは費用を抑えたい人や若い人におすすめ
包接体には、以上のようなメリットとデメリットがあります。
包接体配合のサプリメントは、吸収率の良いサプリを利用しつつ、なるべく購入費用を抑えたい人におすすめです。また、比較的若く健康な人であれば、酸化型を還元型に変換する身体の力が強いため、包接体を摂取してもしっかりと効果を得られます。
包接体のコエンザイムQ10の特徴を把握して、自分にあったサプリメント選びに役立ててみてください。
