コエンザイムQ10と医薬品の飲み合わせに注意
コエンザイムQ10と医薬品の併用には、十分な注意が必要です。
コエンザイムQ10は健康に効果的な成分ですが、特定の医薬品と併用すると、相互作用を起こして病気の治療に悪影響を及ぼす場合があります。
コエンザイムQ10と医薬品を併用する場合は、事前に必ず医師に相談して、安全性に問題がないことを確認したうえで利用するようにしてください。
コエンザイムQ10との飲み合わせに注意すべき薬
コエンザイムQ10を特定の医薬品と併用すると、薬の効果を強めたり弱めたりする場合があります。薬の効果は、強まっても弱まっても病気の治療に悪影響が及びます。
コエンザイムQ10との相互作用に注意が必要な薬の中から、代表的なものをご紹介します。
ワルファリン
コエンザイムQ10との相互作用に特に注意すべき薬に、血栓治療薬のワルファリンがあります。
・ワルファリンは血液を固まりにくくする薬
ワルファリンは、血液を固まりにくくして血栓を予防する薬です。
血液には出血時に固まって血液の流出を止める働きがありますが、そうした働きが過度に強まると、血管内で固まって血栓ができてしまいます。
ワルファリンは、血栓が原因で起こる脳梗塞・心筋梗塞・肺塞栓症などの治療に広く用いられている薬です。
・コエンザイムQ10はワルファリンの効果を弱める
ワルファリンは、血液を凝固させるビタミンKの働きを阻害することで血液を固まりにくくします。
コエンザイムQ10にはビタミンKと似た生理作用があり、ワルファリンの効果を阻害します。ワルファリンを服用中の患者がコエンザイムQ10を摂取したところ、ワルファリンの効果が著しく弱まったという事例報告があります。
ワルファリンを服用中の人は、治療に悪影響が及ぶ可能性があるため、コエンザイムQ10サプリの摂取を控えるべきです。
高血圧の治療薬
高血圧の治療薬とコエンザイムQ10の併用にも注意が必要です。
コエンザイムQ10には、血管を拡張する効果や血液をサラサラにする効果があり、高血圧の予防・改善にとても効果的です。しかし、高血圧の治療薬と併用すると、血圧が下がりすぎてしまう恐れがあります。
高血圧の治療を受けている場合は、コエンザイムQ10の摂取を自己判断してはいけません。高血圧の薬を服用中の人は、コエンザイムQ10を摂取する前に、必ず医師に相談するようにしてください。
糖尿病の治療薬
糖尿病の治療を受けている場合も、コエンザイムQ10の摂取に注意が必要です。
コエンザイムQ10には、糖の代謝を促進する作用や、血糖値を抑制するホルモンであるインスリンの分泌を促進する作用があります。コエンザイムQ10は血糖値の抑制に役立ちますが、糖尿病の治療薬と併用すると、血糖値が下がりすぎてしまう恐れがあります。
糖尿病の治療で投薬を受けている場合は、コエンザイムQ10サプリを利用する前に、必ず医師に相談してください。
関連記事:コエンザイムQ10の糖尿病に対する効果
その他の医薬品
これまでご紹介した医薬品以外に対しても、コエンザイムQ10が影響を及ぼす場合があります。
例えば、コエンザイムQ10が特定の抗がん剤の作用に影響を及ぼす可能性が指摘されています。
また、抗不安薬や抗けいれん薬として使用されている薬品をコエンザイムQ10と一緒にマウスに投与したところ、薬の効果が著しく増強されたことが報告されています。
コエンザイムQ10と医薬品の併用には、十分な注意が必要です。
コエンザイムQ10との併用が効果的な医薬品もある
コエンザイムQ10が薬の効き目に悪影響を及ぼす場合がある一方で、コエンザイムQ10との併用が効果的な医薬品もあります。
脂質異常症の治療薬である「スタチン」という薬には、体内のコエンザイムQ10を減少させる副作用があり、筋肉の痛みなどを引き起こします。
スタチンとコエンザイムQ10を併用すると、スタチンの効果に影響を与えることなくコエンザイムQ10の減少を抑制できるという研究報告があります。
スタチンとコエンザイムQ10の併用は、スタチンの副作用の抑制に効果的と考えられています。
ただし、併用する際には必ず医師に相談するようにしてください。
コエンザイムQ10と医薬品を併用する場合は事前に医師に相談
以上のように、コエンザイムQ10が医薬品と相互作用を起こす場合があります。ご紹介した薬は代表的なものですが、それら以外の薬の効き目にもコエンザイムQ10が影響を及ぼす可能性があります。
病気の治療などで薬を服用中の人は、コエンザイムQ10の摂取を自己判断してはいけません。
コエンザイムQ10と医薬品を併用したい場合は、事前に必ず医師に相談して、安全性に問題がないことを確認したうえで摂取することが大切です。