脂質異常症の予防・改善に役立つコエンザイムQ10
コエンザイムQ10は、脂質異常症の予防・改善に効果的な成分です。脂質異常症は、血液中の脂質の量が異常な状態であり、かつては「高脂血症」と呼ばれていました。
脂質異常症に対するコエンザイムQ10の効果は、実験でも確認されています。
脂質異常症の予防・改善に役立つコエンザイムQ10の効果
コエンザイムQ10には、脂質異常症の予防・改善に役立つさまざまな効果があります。
エネルギーの産生促進
コエンザイムQ10は、エネルギーを産生する酵素の働きを補助する補酵素です。
コエンザイムQ10にはエネルギーの産生を促進する作用があり、エネルギー源となる脂質の代謝を促進します。
コエンザイムQ10は、脂質をエネルギーに変換する身体の機能を活性化して、血液中の脂質を減少させます。
抗酸化作用・抗炎症作用
抗酸化作用は、活性酸素を中和する作用のことです。
活性酸素は強い酸化力をもつ物質で、日々の呼吸によって体内で発生します。活性酸素は身体に必要な物質ですが、体内で過剰になると、その強い酸化力で炎症を引き起こします。
脂肪組織に炎症が起こると、脂質の代謝を促進するホルモンの分泌量が減少することが確認されています。過剰な活性酸素は、脂質異常症を悪化させます。
コエンザイムQ10には、活性酸素を中和する抗酸化作用や、炎症を抑制する作用があります。コエンザイムQ10は、脂肪組織の炎症を抑制して脂質の代謝を促すホルモンの分泌量低下を防ぎ、脂質異常症の予防に役立ちます。
肝機能の向上
肝臓は、脂質の代謝を行う重要な臓器です。
コエンザイムQ10には、エネルギーの産生を促進して肝機能を高める効果や、肝臓に悪影響を及ぼす活性酸素を中和する効果などの、肝機能の向上に役立つさまざまな効果があります。
コエンザイムQ10は、肝臓の機能を高めて脂質異常症の予防・改善に役立ちます。
睡眠の改善
睡眠不足は、脂質異常症を悪化させる要因のひとつです。
睡眠中には、脂質の代謝を促進する作用のある成長ホルモンが多く分泌されます。睡眠不足の状態では、成長ホルモンの分泌量が減少して脂質の代謝が阻害されます。また、睡眠が不足すると、食欲を高めるホルモンの分泌量が増加します。
コエンザイムQ10には、就寝時の体温調節を補助して寝つきを良くする効果や、睡眠を阻害する自律神経の乱れを抑制する効果があります。
コエンザイムQ10には睡眠の質を高める効果があり、睡眠不足による脂質異常症の悪化を防ぎます。
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脂質異常症に対する効果が実験で確認されている
脂質異常症に対するコエンザイムQ10の効果は、実験でも確認されています。
脂質異常症の患者101名に対してコエンザイムQ10を1日あたり120mg、24週間投与したところ、血液中の中性脂肪や悪玉コレステロールが低下したとの実験報告があります。
血液中の脂質を減らすコエンザイムQ10の効果は、ほかの多くの実験でも確認されています。
また、コエンザイムQ10に、余分な脂質を肝臓に運ぶ善玉コレステロールの機能を改善する効果があるとする研究報告もあります。
脂質異常症の治療薬との併用効果も報告されている
コエンザイムQ10に、脂質異常症の治療薬である「スタチン」の副作用を抑制する作用があるとする研究報告があります。
・スタチンはコエンザイムQ10を減少させる
スタチンはコレステロールの合成を阻害する薬で、脂質異常症の治療薬として世界中で使用されています。
しかし、スタチンには体内でのコエンザイムQ10の生成を阻害する作用もあります。体内のコエンザイムQ10が減少した結果、筋肉の痛みや「横紋筋融解症」と呼ばれる筋肉の融解が起こる場合があります。
・スタチンで減少したコエンザイムQ10を補う
スタチンの投与を受けている患者にコエンザイムQ10を摂取させたところ、スタチンの効果に影響を与えることなくコエンザイムQ10の減少を抑制できたという研究報告があります。
また、スタチンの投与による運動機能の低下が、コエンザイムQ10の摂取によって抑制されたとする実験報告もあります。
こうした研究により、脂質異常症の治療を受けている人にもコエンザイムQ10が効果的であると考えられています。
ただし、病気の治療中の人がコエンザイムQ10などのサプリを摂取する場合は、必ず事前に医師に相談するようにしてください。
以上のように、コエンザイムQ10は脂質異常症の予防・改善にとても効果的な成分です。
コレステロール値が気になる人や、血液中の脂質を減らして健康な身体を維持したい人は、コエンザイムQ10配合のサプリメントを毎日の生活に取り入れてみることをおすすめします。
