コエンザイムQ10の発見と利用の歴史

コエンザイムQ10が発見されたのは1950年代のことです。
コエンザイムQ10は当初医薬品として使用されており、健康食品として利用されるようになったのは比較的最近のことです。
コエンザイムQ10の歴史をご紹介します。

コエンザイムQ10の発見と初期の利用

コエンザイムQ10は、アメリカとイギリスの科学者によって1950年代に発見されました。
コエンザイムQ10は1970年代以降世界中で広く利用されていますが、最初に大量生産に成功したのは日本のメーカーです。
コエンザイムQ10は、当初は医薬品として利用されていました。

コエンザイムQ10の発見は1950年代

コエンザイムQ10は、同時期に2つの研究チームによって発見されました。

・アメリカで1957年に発見
米国ウィスコンシン大学のクレーン博士の研究チームは、1957年にウシの心臓のミトコンドリアからオレンジ色の化合物を分離しました。
その物質は、エネルギー産生に関係する酵素(enzyme:エンザイム)の働きを補助する補酵素(coenzyme:コエンザイム)であり、側鎖と呼ばれる分子構造を10個もつことから「コエンザイムQ10」と名付けられました。

・イギリスでも同時期に発見
イギリスのモートン博士の研究グループも、クレーン博士と同時期にコエンザイムQ10を発見しています。
モートン博士のグループは、ビタミンAが欠乏したラットの肝臓から新たな物質を発見しました。その物質は身体のあらゆる組織に広く分布することから、「ユビキノン」と名付けられました。ユビキノンという名前は、「どこにでも存在すること」を意味する「ubiquitous(ユビキタス)」という言葉に由来しています。

1958年にはコエンザイムQ10とユビキノンが同一の物質であることが判明します。
そして、アメリカのフォーカース博士らの研究によってコエンザイムQ10の化学構造が解明されました。

・コエンザイムQ10の研究がノーベル賞を受賞
コエンザイムQ10の発見以降、世界中で研究が積極的に行われ、心臓病患者はコエンザイムQ10が不足していることや、コエンザイムQ10に活性酸素を中和する抗酸化作用があることなどが解明されました。

コエンザイムQ10は、細胞でエネルギーを産生するミトコンドリアの機能に不可欠な物質であり、その役割を解明したピーター・ミッチェルは、1978年にノーベル化学賞を受賞しています。

大量生産に成功したのは日本のメーカー

コエンザイムQ10の研究は世界中で行われていましたが、初めて量産に成功したのは日本のメーカーでした。量産化は、コエンザイムQ10の研究の進展にとってとても重要な出来事でした。
日本のメーカーは1967年に量産に成功し、1974年から本格的な工業生産を開始しています。

医薬品として1974年に認可された

コエンザイムQ10はエネルギー産生に不可欠な物質であり、エネルギーが大量に必要な心臓にとって重要な物質です。
コエンザイムQ10は、日本で「うっ血性心不全」の治療薬として、1974年に世界で初めて認可されました。コエンザイムQ10は、現在も日本で医薬品として利用されています。

サプリメントとしての歴史

コエンザイムQ10にさまざまな健康効果があることが確認されたことで、1990年代からアメリカをはじめとした世界各国で健康食品としても利用されるようになりました。

日本では2001年に健康食品としての利用が可能に

1974年以降、日本ではコエンザイムQ10が医薬品として利用されていましたが、医薬品の範囲に関する厚生労働省の基準が2001年に改定され、コエンザイムQ10を食品としても利用できるようになりました。
また、2004年には化粧品の基準が改定されて、化粧品にもコエンザイムQ10が配合できるようになりました。

現在、コエンザイムQ10を配合したサプリメントや化粧品が数多く販売されており、その効果の高さから人気を集めています。

さまざまなタイプが開発されている

コエンザイムQ10は健康や美容にとても効果的な成分ですが、体内への吸収率が低いという問題点があります。
その問題点を解消するための研究が近年盛んに行われており、より吸収率の高い還元型・活性型・包接体などのさまざまなタイプが開発されています。

関連記事:コエンザイムQ10はどの型を選ぶべき?

1950年代に発見されたコエンザイムQ10は、現在健康食品として世界中で高い人気を集めています。
コエンザイムQ10の研究は現在も活発に行われており、新たな効果の解明や、より効果の高い製品の開発が期待されています。

公式サイト

  • ステラの贅沢コエンザイムQ10
  • カネカの還元型コエンザイムQ10
  • ステラの還元型コエンザイムQ10プラス

効果・作用・副作用